食っても食っても腹ペコだ!

 ちっ、何だよ、ついさっき寝たと思ったらもう朝かよ。あー腹へった。チョコ食お。この「ガーナミルク」って好き。昔からあって、まろやかな甘さで。おっと、1枚食っちまったよ。おーい腹へったよ〜。何かないの? 食パン? いいや、それで。でも噛むの面倒臭えな。なので、こう手ェ濡らしてな、ギュッギュッと握る。ほら、こんなに小っちゃくなっちゃった。これ牛乳で飲み込んじゃう。一瞬で1斤食えるし、あとで腹ン中で膨らむんだぜ。
 でも職場につくと、もう腹ペコ! あら、おヤス姐さん何持ってるの?
 「見りゃ分かるだろ、右手はカレーパン、左手はあんぱんだ。ひとつ食うか?」
 「いや、ふたつとも食わせろ!」
 「何だと!人が食いたくて買ってきたのに。ま、いいや、ほれ、くれてやる」
 うっ、うめえ。右と左と交互に食うとすげえうめえ。カレーとあんこがひとつの味になって、もう絶妙。
 あー腹減った。喰ったらよけい腹減った。ちょっと昼飯行ってくるよ。
 「昼飯って、アンタまだ10時だよ」
 いいのいいの気にしない。どうせ昼時は混むんだから。
 さーてとエビフライ、エビフライ、何か今日はとってもエビフライ〜。おっ、マスターこないだテレビ出てたじゃん、イイ男だったよって言ったら1本オマケするかい? あれ、本当にオマケしてくれた! うれしいなっと、こりゃうめいや! さすが八千代の伊勢エビフライ。さてと、食後には茂助のどら焼きだ……あ、もうオヤツの時間かな、えっ、まだお昼?
 おい、その「辨松」半分残ってるのオレに食わせろ、ありがと、うんおいしい。でも、何だな、ここの卵焼きは甘すぎるぞ。貰ったもんだから文句は言わんがな。ちょっと誰だよ、机の上に「チョイスビスケット」置いとくの、オレ好きなんだから、これ。あー、1箱食っちまった。
 今帰えった。晩飯は何だ? スパゲテエだって、いいけどそれじゃあ前菜だろ? ま、いいやゾゾゾゾ。ついでにお茶漬でも喰うか、サラサラサラ。ああ、何でこんなに腹へるんだろ? 過食症かもしれん? オレ何かとストレスためこむタイプなんだよな……よし、出来た! どうだ座布団みたいだろ? オレはホットケーキつくるの得意なんだ。えっ? もちろん食うよ。蜜をたっぷり利かせてナ……


 かわうその話

 もともと築地は木挽町の東南の築地川という渠に取り囲まれた淋しい埋立地で、日が暮れる時刻にはここに立ち寄る者は誰もいなかった。というのも築地川には「かわうそ」が出て人をたぶらかすという噂があったからである。今から70年ほど前には、ここを通る者が「かわうそ」に髪を切られたとか、提灯の火を消されたのだと土地の古老は語っている。

 明治初年の冬の晩、新橋の薬種店の番頭、惣十郎が商用で鉄砲洲へ出向いた帰り途、とっぷりと日も暮れて底冷えに身をこごめながら築地川端を歩いていると、ちょうど軽子橋にさしかかったところで、何年来も会っていない叔父にばったりと出くわした。
 これは叔父さん、こんなところで奇遇ですね。いつも顔を出そうと思ってるのですが、どうにも商売が忙しくって、いや、こんな寒い所では仕方ありません、あそこに入りましょう、
 惣十郎は叔父の手をとって、川端に出ている蕎麦屋の屋台に腰掛けた。そして一、二合の酒を酌み交わしながら世間話などするのだが、叔父は一向に口を利かない。惣十郎は不思議に感じたが、もう夜も更けてくる。店に戻らねばと思い、叔父にいとまを告げると立ち上がった。そしてふと思い立ち、手提げから自分の店の「安寿丹」という薬を出して、これは流感の薬ですよ、と叔父に渡した。
 その晩、惣十郎は遅くまで寝つかれないでいた。すると真夜中過ぎに表の戸を叩く者がある。手代の者が出ると惣十郎の叔父の家からの使いの者で、叔父が亡くなったという知らせであった。惣十郎は先程会ったばかりなのに、はては不思議な事だと思い手紙を読むと、突然全身に総毛が立つのを感じた。

「善兵衛、秋口より脚気を患い病床にありしが、この二、三日来より病状思わしくなく、本日夕刻突然にみまかれり。死顔頗る穏やかなるも、掌中に「安寿丹」なる薬袋を握りしが、家族の誰も心覚えなき不思議にて」


 大木&吉村(1)大木・吉村登場!

 “築地のオアシス”喫茶店「ヨ●モトコーヒー」には、いろんな客がやってくる。
 時にはこんな客だって……

 「オッス、頭突きの大木だ」
 「どうも、火の玉小僧、吉村だよ」
 「今回から登場することになったから、よろしくな」
 「ボクたちはタッグだから、いつも一緒さ」
 「でも、ホモじゃないからな」

 『何か、変な客が来たね。あのお、アンタ方は何ですか?』

 「何ですかって、見ての通り、プロレスラーさ!」
 「マスター、プロレスラーがコーヒーを飲みに来ちゃいけないって言うの!」

 『いや、別にいけなくはないけど……しかし、何でアンタ達、トランクス一丁なの?』

 「今、試合場から駆けつけて来たんだよ」
 「おい吉村、頭にメリケンサックが刺さったままだぞ、血が出てるぞ!」
 「何かズキズキすると思った……でもさあ、外人組はヒドイ反則するよね」
 「ああ、ありゃねえよな」

 『どうでもいいけど、ここセルフサービスの店なんで、こちらで注文して下さい。』

 「オレはボボ・ブラジルコーヒーだ!」
 「ボクはブルマン……サンマルチノ」
 「おっ、人間発電所だな!」

 『何か、頭いたくなってきたぞ。いくら客商売だからって、こんなヘンテコな連中を相手にしなけりゃならないなんて……あ! ピッピッピッピッピッ! こら、今、トランクスに灰皿隠すの見えたぞ、それは反則だぞ!』

 「ノー、ノー、ノー、ノー!」


 大木&吉村(2)リキ!

 「またまた登場の頭突きの大木だ」
 「ボクは火の玉小僧の吉村だよ」

 『あ、またレスラーコンビが来た。アンタら昼間っからいったい何してるの?』

 「もちろんトレーニングだよ!」
 「“虎の穴”で、コールタールの中を泳いだり、ライオンと闘ったりするのさ」
 「上野公園でさらわれたりな」


 『分かんないなあ、アンタらの話はサッパリ分からないよ。』

 「あーっ!!」

 『何だ、二人共、急に叫んで、どうしたの?』

 「先生! 力道山先生じゃないですか! 大木です、お久ぶりです!」
 「力道山先生、生きておられたなんて! 吉村です、ご無沙汰してます!」
 「何だ、何だ? オレはアンタらなんて知らないよ」

 『おいおい、人違いだよ。この人は魚河岸水産のオヤジだよ。』

 「いや、マスターが何と言おうと、この人は力道山だ!」
 「はんぺん顔といい、突き出た腹といい、リキ先生そのものじゃないですか?」
 「ちょっとマスター、こいつら何なんだよ?  急に人につっかかってきて。大体トランクス一丁で歩いてるなんて、頭おかしいんじゃないの?」
 「何言ってるんですか? 力道山がいつ魚屋のオヤジになったんですか? そんな事だから、日本の正当派プロレスが衰退するんですよ!」
 「何だよ、オレは昔から魚屋だっての! あー、うるせえな。違うって言ってるだろ! しつこいぞ、この野郎! こうだ!」

 バシッ!バシッ!バシッ!

 『出たーっ! ついに魚河岸水産のオヤジの空手チョップが炸裂だーっ!!』


 大木&吉村(3)必殺ワザ自慢

 ガツーン!

 「イテテテ! 大木さん、いきなり頭突きを食らわすなんてヒドイじゃないですか!」
 「甘いな吉村! スキを見せればやられる。いいか、これはトレーニングなのだ」
 「そんなこと言って、本当は必殺ワザを自慢したいだけでしょ?」
 「うむ、オレ様の石頭は世界一だからな」
 「でも、そんなに頭突きばかりやってて、頭悪くならないの?」
 「そういえば一発食らわすたびに脳みそが軽くなっていく気がするなあ」
 「それでも必殺ワザがあるだけいいよ。ボクなんか“火の玉ファイト”だけなんだから」
 「吉村はずっと悪役外人にやられ役だからな」
 「そこで、ボクがあみだしたワザが、ジャジャーン! 必殺“吉村スペシャル”だ!」
 「おお、どんなのだ?ちょっとかけてみろよ」
 「えっ、いいの。でも危険だよ」
 「何言ってるんだ、お前にやられるほど、オレさまはヘナチョコじゃないぜ」
 「言ってくれたね。じゃあ、かけちゃうよ! ほれ、こう、こう、こうだ!」
 「イテテテッ! おい、頭に何か刺したろ!」
 「へへ、ばれたか。脳天に鉄製のストローを突き刺し脳みそを吸い出す恐怖のワザ」
 「そりゃ、危険だ! しかし、それじゃあ反則だろが」
 「アメリカのB級エイリアン映画からヒントを得ました」
 「だから、お前は甘いんだ。いいかオレさまの完璧なまでのワザを受けてみろ。そら!」
 「ぐぐぐぐるじい! く、クサイ、クサイ!」
 「これが“必殺ワキガ固め”ハァハッハッハッ!」
 「くっさ〜っ! すごいワキガだよ! 風呂入ったことあんの?」

 「えーっ、そうか? そんなに臭う? クンクン、おっ、おお!」
 「ねっ、自分でも分かるでしょ?」
 「いやー、結構キテルね。うん。クンクン、あー何かクセになりそう……クンクン」
 「なに、自分のワキガに酔いしれてるのさ」
 「おお、そうだ。こんな事してちゃいかん。でも、やっぱりクンクン……ああ止らない!」


 大木&吉村(4)セーヌのカフェテラス

 「ついに来たぞ、パリだ!」
 「ボクたちも国際派レスラーになったね」
 「こうしてカフェに腰掛けていると、若き日のシャンゼリゼを想い出すな」
 「あれ、大木さん、パリに来たことあるの?」
 「ミラボー橋の下をセーヌは流れ……我らの頭にパイルドライバーぞ 炸裂す」
 「何それ?」
 「フランスの有名な覆面詩人ミル・マスカラス・ケツクセ・デ・ギャルソンの詩だ」
 「どこかで聞いた名前だね」
 「ま、気にするな。こうしてセーヌ川の流れにまかせていると、時も忘れるよな」
 「川って、どこにも流れてないじゃないの」
 「いいの、いいの。流れてる気になれば」
 「それに道ゆくパリっ子はみんな長靴はいてるね」
 「今年のパリコレじゃあゴム長がトレンドらしいぜ」
 「あれ、あそこに走ってるのターレじゃない?」
 「うるさいなー」 

 『いやー、ごめんごめん。店内が混んでるんで、表でコーヒー飲ませちゃって……』

 「何だよマスター、せっかくオレたちがパリのオープンカフェの気分でいるのに」
 「そうだよ。フレンチな雰囲気が台無しだよ」

 『何言ってんのよ。アンタらはフレンチというより、ハレンチって感じだよ。』


 大木&吉村(5)スキヤキ・ワールドリーグ戦

――全国推定1億人のプロレスファンの皆さん、こんにちは。今日は築地特設リングより、WW   Aスキヤキ・タイトルマッチをお送りします。解説はどことなく故豊登の面影を感じさせるヨ    ネ●トのマスターさんです。ヨ●モトさんよろしくお願いします。
――はい、どうも。
――そして、実況解説は私、旧国際プロレスが好きだったメカジキでお伝えします。さて、ヨネ    モトさん、ズバリ、今日の試合の見どころは?
――やはりチャンピオン、キラーコワルスキーの凶悪ニードロップに、挑戦者大木のヘッドバッ   トがどの程度通用するかでしょうねえ。もちろん肉だけではなく、ネギ・しらたき・焼豆腐を   からませての多彩な戦法が勝機につながると私は見ますね。
――ところで、なぜスキヤキですかね?
――きっと作者の気まぐれでしょう。
――さあ、両者リング上、鍋をはさんで見合いました。赤コーナー、185ポンド、耳そぎ男キラ    ーコワルスキー、青白い瞳が鋭く燃えております。対しまして青コーナー190ポンド、頭突   きの大木全太郎。彼は今日のために半年間肉を一切食べなかったそうです。
――この一戦にかける並々ならぬ意気込みを感じますな。
――60分1本勝負、いよいよゴングが鳴りました。おーっと、チャンピオンいきなり肉を頬張っ    ています。一方挑戦者大木は、おや、しらたきに箸を伸ばしましたね。
――からめ手から責めようという戦法でしょう。
――ああ、そうしている間にチャンピオンはすごい勢いで肉を食べています。肉・肉・肉、これ    でもかという肉の連続食いです。さて、大木の方は、いや、これはいけません。あわてて    噛んだネギから飛び出したツユでノドをやられている模様です。
――ネギ鉄砲! これは、いさみ足でした。
――あ、●ネモトさん、ちょっと待って下さいよ。チャンピオンが何か焼豆腐に隠しているようで   す。何でしょう……おおっと、肉です。何とチャンピオンは焼豆腐に肉を隠して食べていま   す。
――これは反則ですねえ。
――さあ、怒った大木がチャンピオンに突進していきます。しかし、体をかわされた。おっとその   隙にチャンピオン、ロープ最上段からの凶悪耳そぎニードッロプが、炸裂だぁー!
――まさに耳そぎ男の面目躍如ですなあ。これは危険ですよお!
――そしてチャンピオン、そいだ耳をスキヤキ鍋に入れて、うわ! 玉子かけて食っています。   何とスプラッタな野郎でしょう。いや? 吐き出しました。何でしょうか? あ、どうやら落ちた   耳はゴム製のレプリカだったようです。いや、これは大木の頭脳的プレーです。さあ、大木   一気に攻勢に出る。おーっと、頭突き、頭突き、頭突きの応酬です。チャンピオン足に来    た。さあ、大木チャンスだ。や、出ました! 必殺ワキガ固めです!
――これはたいそう臭うございますよ。
――ギブアップ! チャンピオン、あまりの臭さにギブアップです! WWAスキヤキ・タイトルマッ   チに新チャンピオン、大木全太郎誕生です。 ……さて、本当ならこの後、勝利者インタビ   ューなどやるんですが、長くなるんでやめまして、えー、築地特設リングよりお別れします   ヨ●モトさん、ありがとうございました。
――どうも



 炎天

 熱気が足元からたちのぼる、遠雷がどこからかドロドロと響いてる。町には人はいない。あまりの暑さに誰も窓を閉ざしているのだろう。もう、4時を回っているのに、なぜこんなに暑いんだろう。ぼやけた午後の町を歩いていくと、ふいに何か、呼ぶような、僕を誘いこむような声がきこえて、足を止めた。

 イ〜シ〜ヤ〜キ イモ〜、オイモ〜……

 真夏に焼イモ屋?
 気のせいだろうと思い、また歩き出すと、もう一度、今度はもっとはっきりときこえた。

 イシヤ〜キイモ〜 アマクテオイシイ オイモ〜ッ

 僕は疑いながらも、声のする方に歩いていった。すると、仕舞屋の角を曲がったところで、石焼イモ屋がふいに姿を現わした。年の頃50にもなろうか、帽子を被り軍手をはめた男が、こちらを見やると、ニヤッと笑った。

 イラッシャイ

 今どき珍しいリアカーの屋台で、ブリキの煙突に煙が立ち、提灯には、「クリより甘い十三里」と昔ながらの文句まで書かれている。

 「ウチは昔からやってるからね、1本80円だよ」
 「こんなに暑い日に売れるんですか」
 「暑い? これが暑いだって。こんなのは暑いうちに入らんよ。この焼けた石の中はあんた、地獄だよ。地獄の夏からくらべれば、この世は極楽さ」
 「……」
 「こんな季節の焼イモがね……最高なんだよ。生き物の熱を全部吸い尽くしたイモがね、いちばん滋養があるのさ……」

 ああ、僕は熱にうかされて、白昼夢を見たのだろうか。気がつくと、焼イモ屋はもういない。いつのまにか町には喧騒が戻り、目の前を2、3人の子供が走っていく……
 日常って、何て違和感があるんだろう。
 僕は夏よりも熱い新聞紙の包みを抱えて路地に立ちつくしていた。


 マグロの唄をつくろう!(前編)

 マグロ屋のタケ坊が拡販のために自作の「マグロの唄」をテープに入れて持ってきた。

  ♪まぐろがよぉ〜 大漁ン時にゃ 海はまっ黒 だぁ〜♪

 「ていうか、いきなりスゴイ曲つくってしまった自分の隠れた才能に正直おどろいてます」
 「……もう、やめなさいってば、って感じ」
 「え、うそっ! 何がいけないの」
 「まっ黒 だぁ〜 ってとこが何か無性に腹立つね」
 「そうかなあ、けっこう勇壮な唄だと思ったんだけどな」
 「だいいち歌詞に工夫がなさ過ぎる。もっと若いもんの琴線を強引につかなけりゃいかんぞ……落第だなマグロ屋!」
 「何だよ、いきなり偉そうに。じゃあメカジキならどう作る? お前自分のことロッカーだって言ってたろ」
 「そうさ、オレの心臓は8ビートで刻まれてるんだ。ふん、オレの教えを乞おうってのかい?」
 「スゴイ感じ悪い。そんなに言うなら作ってみろよ」
 「そうだな、大体マグロってもの自体がロックになるような題材じゃないな。考え直せ」
 「何だ、作れないのか」
 「おいおい、オレ様に作れない曲なんてないぜ! ちっ、そんなに言うなら大先生が出てやるか」
 「誰が大先生だよ」
 「そうさな、ものには順序があるからな。そうだ、まず女を出そう」
 「なぜだ? なぜ女を出さなきゃならん」
 「いいんだ。いいか、これはロックの決まり事だ。まず、とにかく女が出る。それでこいつがイイ女ときてる」
 「パツキンって感じ?」
 「そう、パツキン。もうヒョウ柄って感じ。で、この女が酒場のカウンターに腰掛けて、こう、憂いを含んだ、こういう眼をしてるわけ」
 「どういう眼?」
 「こういう眼だよ」
 「ああ、そういう眼ね」
 「そこへ、賭博師ボブがやって来て、二人はホテルへ……」
 「誰だ、そいつは?」
 「街の顔役だよ。ロックには大抵そんな奴が登場する。それで二人は恋に落ちるんだが、実はこの女は男だったんだな」
 「え、それでどうなっちゃうの?」
 「それが何とボブの奴は両刀使いで……」
 「ところで、マグロはいつ登場するんだ」
 「もうそろそろ出てくるんだが、行が足りないので、この続きは次回ということで」
 「おい、ちゃんとオチまで考えてるんだろうな?」(つづく)



 マグロの唄をつくろう!(後編)

 「パツキンギャルが実はオカマで、街の顔役のボブとホテルへ行ったんだな」
 「そうだ。それでベッドへ入ろうとした時、ボブが巨大なアタッシュケースを開けると中から現われたのは……」
 「まさか、それがマグロじゃないだろうなあ」
 「まさにそうだ。何と近海もののホンマグロ、“オオマ”ってヤツだな」
 「そんなもん出してきて、どうするんだ」
 「奴は子どもの頃から、ずっとマグロと添い寝してたのであった」
 「変態か、そいつは」
 「相手もそう思ったさ。ところが実際いっしょに寝てみると、これが実に「イイ」んだな。で、女はもうイチコロ。そこでボブが言うには“この肌合いは生マグロじゃなくちゃね……”」
 「結構苦しかったね」
 「うん、苦しかった。でもやっとつながった……さて、じゃあギター貸せよ。 ♪ジャンジャンジャン……出来たよ、ほら」

 マグロック

  G7     C7      G7
 うまいマグロは輝きがちがうぜ Yeah!
  G7        B♭  F G7
 イイ女の肌ざわりのようさ Yeah!
 C      B♭ F          G7
 お前を喰うために 5000マイル旅してきたのよ
 C          G7
 口の中で とろりとトロける 
 D7        C7                G7
 Oh Baby 今夜も お前のテイストでオレをロックしてくれ!


 「何だ、結局オカマやボブの話は出てこないじゃん」
 「うん、そうだな……ま、彼らのことはそっとしておいてやろうよ」

           □←ここを押すと文中の曲が聴けます(ウソ)


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