10万人目の男

 市場のはずれにちょっと見落としてしまうような小さな祠がある。多くの人は知らないが、実はここに請願成就のありがたい神様が鎮座している。さて、今日もご利益を信じてやまない迷える男がやってきた。
 かれの名はセイジ、海老屋に勤める酒好きのオヤジである。
 「どうか、ご利益をムニャムニャ……」
 いつものように手を合わせた時である、
  ♪ベンベロ ベロベロ〜
 という陽気なのか陰気なのか分からない鳴り物と共に、何と! 祠がご開帳したかと思うと、中から白装束の小さな人が現れた。
 「参詣者10万人達成記念特別出演! ワシが祠の神様じゃ」
 セイジはきょとんとして目をこすっている。ちょっと酒が過ぎたのかな?
 「お前がちょうど10万人目の男になる。そこで特別に願い事をかなえて進ぜよう」
 オレは相当酔っているんだな、セイジは首を振った。
 「うん? 何か願い事はないか。それとも何か困った事はないかな?」
 「困った事ですかあ?」
 ぼやけた頭でセイジは答えた。
 「そうですねえ、今あたしの左の長靴に穴が開いて困ってるんですがねえ……」
 「ふん、何だ、そんな事でよいのか。それじゃあ、ほれ、左足を見てみろ」
 見ると、あら不思議! 左足だけ長靴が新品になっているではないか。
 「大願は成就された! さらばじゃ。ワシは帰る……」
 「ちょっ、ちょっと待ってください。本物の神様だったんですか。いや、今の願い事は取消し! もっと他にお願いしたいことが、いっぱいあるんです!」
いっぺんに酔いが覚めたセイジはあわてて神様を引き止めた。
 「何を言っておる、もう願い事は聞いたではないか。規則で取消しはまかりならん」
 「そんな……いいじゃないですか、もうひとつくらいかなえて下さいよ」
 「うむ、昔は3つの願いをかなえていたがな。バブル崩壊以後この業界もせちがらくなっての、今は1つだけしかかなえておらん。残念だがあきらめい。では、次回20万人達成記念でお逢いしましょう……」
  ♪ベンベロ ベロベロ〜
 「あーっ、ちょっと待って下さい! あたしゃ世界一の美女とひと晩すごしたい! 万馬券連続で取りたい!フロリダに別荘持ちたい! それからついでに、いつも新品のウロコを履いていたい…… ねえ、ちょっと……あれ? ああ、引っ込んじまった……トホホホホ」
 左右ちんばの長靴を引きずるようにして、10万人目のラッキーガイ、セイジは肩を落として家路につくのであった。


 サブリミナル

 日銀が今月8日発表した国内卸売物価指数は、前年同月比0.1%低下の979となマグロり、消費税率引き上げ直前の97年3月以来、1年ぶりに前年割れとなった。同税率引き上げの影響を除くと、過去1年の物価下落サシミ幅は実質約2%とみられる。前月比でも同指数は0.4%低下となり、3ケ月連続のマイナスである。アジアの赤身経済危機による影響などで輸入物価の大幅下落も依然として続いており、このままではデフレ経済トロの色合いが出てきた。
 品目別では、石油・石炭製品が原油市況の停滞と円高の影響で前月ワサビ比4.6%下落したほか、電力・水道・ガス・DHAも2月の料金引き下げで同1.3%下った。
 97年4月に消費税率を3%から5%に引き上げた影響は、国内卸売物価生魚指数を1.94%押し上げる効果があり、前年比での0.1%下落は「実質的には前年比2.04%の低下に相当する」という。
 日銀は「消費税率を引き上げた97年4月に国内卸売物価指数は前年比1.9%上昇したが、どの品目に何%影ツマ響したかは判断が難しい」としている。
 低迷する日本経済ではあるが、さて、ところで今晩のおかずは何にしようか?


 拾ったヅラ2

 ハゲで荷受のキンゾウは、ある日セリ場でカツラを拾った。何でこんなものが落ちてるのかな、そう思いながら拾得物係に届けようとしたが、ふいにかれはこれをかぶってみたいという強い衝動にかられた。
 なぜだろう、なぜオレはこんなものをかぶりたくなるんだろう。キンゾウは理由もなく沸き起こってくる強い気持ちを押さえきれずに、小走りに人気のないトイレにかけこむと、鏡の前でそおっとそのカツラをつけてみた。こ、これは……
 鏡に映った自分の顔を見たとたん、キンゾウは思わず言葉を失った。
 自分の顔が石田純一になっていたからである。
 何だあ、こりゃあ。キンゾウは驚いてカツラをはずした。すると不思議なことに元の自分の顔に戻っていた。
もう一度つけると、あれ、石田純一だ。はずすと、やっぱり自分だ。つけると……ああ、石田だ。
 なぜこうなるのか分からんが……かれは鏡の自分に言い聞かせるようにつぶやいた。まあ何か知らんけど、ラッキー! キンゾウはカツラを大切に懐中にしまうと、ほくほく顔でトイレを出た。これさえあれば、もう恐いものなしだ。女にだってモテモテだ。不倫だってバッチリだもんね!
 次の朝、キンゾウは拾ったカツラをしっかりとつけると、得意満面でセリ場に入った。
 おう、おはよー!
 その声にセリ場にいた人々が一斉に振り返ってかれを見た時である。
 あっ……キンゾウは立ちすくんでしまった。

 みんな石田純一の顔をしていたのである。


  (^。^) はやめてくれ

 「ティーッス! 久々登場のタケ坊だよ、メカジキ何してんだい(^。^)」
 「始末書を書いてんだよ、顔文字で話かけるんじゃねえ!」
 「へ、何怒ってるの (゚o゚)」
 「オレはその字面見ると何かイライラするのだ」
 「何言ってんだかサッパリ分かんなーい(゚.゚)」
 「大体、顔文字使う奴にロクなのはおらん」
 「<大体、顔文字使う奴にロクなのはおらん。
   ↑  ↑  ↑  ↑
  これは偏見だと思うね(-.-) 」
 「引用符使って反論するんじゃねえよ。オレが言いたいのはだな、そんなわけの分からんもので人を煙に巻くのは良くありません」
 「ああ、つまりメカジキ、顔文字の出し方知らないのね(゚゚)」
 「……うん」
 「そういうことなら教えてやるよ。ほら、ここをこう、ね。これで、ほら(^.^)」
 「えっ、こうかい?
   §^。^§
  おっ、出た。
   )^o^(
  また出た。
   (~_~メ)
  またまた出やがったぞ。こりゃ、面白いや。ヘヘヘ、あっ、そうだ……


   始末書 m(__)m

 私ことメカジキ(ー。・)はこの度、ターレをむやみに乗り回し(@_@)
 岸壁に激突(+_+)、前方部をしたたか破損させた件 (T_T)
 深くお詫び致します_(._.)_とともに、 今後このような事のない様、
 職務に精励し(^_-)、人類平和とかに大きく貢献することを約束します(^○^)

 「おい、これ本当に提出するの ^_^;」


 原子怪獣マグロンあらわる!

 昭和27年、ビキニ環礁での水爆実験によって第五福竜丸の乗組員が被爆した。その際、汚染されたマグロの何本かが築地市場正門横に埋められたという。それから40年後、地中の水爆マグロがついに長い眠りから醒め、日本中を恐怖のどん底におとしいれるのである。
 最近、地下鉄12号線の工事によって市場が掘り返されたおり、水爆マグロの発掘が試みられた。しかし、骨のカケラすら掘り出すことが出来ず、きっと長年の間に水爆マグロは土中で分解されたのだろう、と誰もが思った。
 だが、ここにそう考えない者が一人いた。
 「わしは何としてでも水爆マグロを復活させてみせる」
 そうつぶやく彼こそ希代のマッドサイエンティスト高木ゴリラ博士である。彼は工事現場で採取した土壌から水爆マグロのDNΑを発見すると、その恐るべきクローン技術により水爆マグロ細胞を復元したのである。
 「さあ、ここからが腕の見せどころだ」
 高木ゴリラ博士は長年の研究によって開発した究極の電磁波“御都合主義光線”を水爆マグロ細胞に照射した。その途端である、
 「ピンマル〜ッ!」というわけの分からぬ鳴き声と共に、水爆マグロが復活した。
 「わははははは、長年の研究が実ったぞい」
 しかし、ああ、なんということだろう。電磁波の力が強すぎたのだろうか、水爆マグロはどんどん巨大化していくではないか
 「わははは、でかいのお。お前をマグロンと命名しよう。お前は怪獣マグロンだ」
 などと言ってる場合ではなかった。マグロンは研究所の屋根を突き破り、街中へと踊り出たのである。体長30メートルの怪獣マグロンは、もはや人類の脅威であった。マグロンは築地から銀座、丸の内と、大東京を火の海と化していく。
 「ピンマル〜ッ!」

 さっそくマグロン対策本部が作られ、総攻撃を開始したが、世紀の大怪獣には近代兵器も歯が立たない。ああ、このまま東京は壊滅してしまうのであろうか。
 「一体どうしたらいいのだろうか」
対策本部長が頭を痛めていると、そこに一人の人物が現れて言った。
 「はははは。マグロンを退治するには、マグロに強い奴に頼めばよいのじゃ」
怪獣に踏みつぶされてもしつこく登場の高木ゴリラ博士だった。
 「博士、マグロに強い奴とは、一体」
 「それは……」


 マグロに強い奴とは誰か?
 実はまだ考えていないのである。というわけで、強引に次回に続く(本当か?)


 原子怪獣マグロンVSスシ屋の板前

 (前回のあらすじ)
 築地市場に埋められていた水爆マグロが、マッドサイエンティスト高木ゴリラの手で全長30メートルの大怪獣マグロンとして甦った。長い年月から覚めたマグロンは凶暴化し、街を壊し始めた。東京壊滅の危機が迫る!

 「博士、マグロに強い奴とは、一体誰ですか」
 「それは、スシ屋の板前じゃ」
 「板前……?」

 ここは築地市場にほど近い明石町。この路地にひっそりと開く「寿司○」という店がある。この店で包丁をふるう男こそ、マグロのことなら何でも知りつくすといわれる天才板前“シビ切りの吉佐”である。彼の手にかかれば、どんなマグロも成仏してしまうのだ。
 「へい、らっしゃい!」
 おもむろにカウンターに座った2人の紳士、もちろん対策本部長と高木ゴリラ博士である。
 「お客さん、何にぎりやしょう!」
 「うむ。巨大マグロをな」
 「へ!?」

 「するってえと、つまりアタシにあの化け物マグロをさばいてくれと、こうおっしゃるんですかい?」
 「そうです。1千万都民のためにひと肌脱いではいただけませんか」
 「うーん」
 吉佐は腕組みしてうなっていたが、やがてポンと膝を打って言った。
 「面白れえ! あんな大物をさばくなんてえのは、こりゃあ一世一代の大仕事じゃあねえか! ああ、引き受けたぜ! 1千万人分のにぎりを作ってみせらあ!」
 「おお、やっていただけますか!」

 こうして大怪獣マグロンと名人板前との世紀の対決が始まった。“御都合主義光線”によって30メートルに巨大化した板前ジャイアント吉佐は、片手で巨大な刺身包丁を掲げ、もう片手に巨大な飯台を抱えて高らかに叫んだ。
 「へい、らっしゃい!」
 「ギョエーッ ピンマルーッ!」
マグロンも咆哮を上げて突進してくる。
 しかし、勝負は一瞬にして決まった。吉佐の包丁さばきは、あっというまにマグロンを細断してしまったのだ。そのあと、名人は生き生きと寿司をにぎり始めた。巨大マグロのにぎり寿司に全都民は舌鼓を打った。もちろん対策本部長や高木ゴリラ博士も嬉しそうに頬ばっている。
 「うわあ、こりゃあ大トロだ!」

 「今日は良い仕事をした」
 新装間近のがんセンター新館に腰かけて、ジャイアント吉佐はすがすがしくつぶやくのであった。


 築地地方の天気予報

 プップーン

気象徴予報部、午後10時発表の気象通報を申し上げます。
はじめに天気概況、
明石町の南、北緯35度、東経139度には1007ヘクトパスカルの発達した低気圧があって北北西に進んでおります。一方、万年橋の東、北緯35度、東経139度には1020ヘクトパスカルの高気圧があって、ほぼ停滞しています。このため、閉塞前線の交差する本願寺のあたりでは雷や雹が降っております。
続いて各地の天気、
共栄会では北東の風、風力3 曇り 02ヘクトパスカル 気温10℃
ヨネモトコーヒーでは南の風 風力4 曇り 01ヘクトパスカル 気温18℃
近江屋牛肉店 北北東の風 風力1 曇り1010ヘクトパスカル 気温13℃
昭和食品では北の風 風力3 晴れ 02ヘクトパスカル 気温9℃
仲卸店舗では 南の風 風力4 晴れ 1045ヘクトパスカル 気温26℃
波除神社 東の風 風力3 晴れ 07ヘクトパスカル 気温17℃
がんセンターでは西の風 風力2 曇り 01ヘクトパスカル 気温11℃
銀鱗会 東の風 風力5 天気不明 08ヘクトパスカル 気温は不明です
マグロせり場 西の風 風力3 雨 987ヘクトパスカル 気温24℃
超低温冷蔵庫では 北の風 風力8 霙 986ヘクトパスカル 気温−40℃
続いて気象徴海洋ブイおよび船舶の報告をお知らせします
大四郎さんの家の南方、北緯35度 東経139度の海上では
 南の風 風力3 雨 980ヘクトパスカル 気温21℃
朝日新聞社の西方 北緯35度 東経139度の海上では
 東の風 風力2 霧 01ヘクトパスカル 気温−30℃
大物業会 は 入電がありません。
くりかえします。大物業会入電がありません。


 ヒロスエ

 ある日、セリ場を歩いていたら、向こうからヒロスエが歩いてくる。
 “何でこんなところにヒロスエが!?”
 などと疑問に思っているバヤイではない。書くもの、書くもの……ペン……あった! あ、ちょっと、スイマセン、サイン……
  「何だぁい?」
 あれ? 何だろう。ふつうのオヤジだ。見間違いか。何でヒロスエなんかに見えたんだろう?
  「ボキに何か用かい?」
 いえ、何でもないです。どうも、暑くなりましたね。ははは……。
  「そうね、もう夏だもんね」

 またある日、岸壁を歩いていると、今度は横浜ベイスターズの帽子をかぶったヒロスエが歩いてくる。
 “あ、ヒロスエだ。何故ここに?”
 などと不審に感じている時でない。書くもの、書くもの……サイン帳……あった!  あ、ヒロスエさん、スイマセンがサイン……
  「ホエホエ、ボキかい?」
 あ、この前のオヤジ! また見間違いちまった……おかしいな。
  「ねえ、ボキに何の用?」
 え? あ、どうも。あー、ははは。あの、ベイスターズ強いっすね!
  「あ、チミもベイファンなの? ウレチイネ」

 今日、売場を歩いていると、何と、ウナギの魚篭を提げたヒロスエが歩いてくる。
 “今度は騙されないぞ! こんなところにヒロスエがいるわけがない”
と思いつつもどう見てもやっぱりヒロスエだ。書くもの、書くもの……ない! しょうがねえな、こんな時に。あ、スイマセン、握手してください。
 「ボキと握手? いいよ、ニギニギ」
 ああ、やっぱりこのオヤジだよ。何でいつもヒロスエに見えてしまうんだろう? 
 「あ、チミ。こないだのベイファンの人だね」
 へ? ああ、そうすね。もうベイスターズ優勝間違いないっすよ!
 「ええ、ウレチイこと言ってくれるネ。ニカニカニカ!」
 “ああ、ひ、ひ……ヒ・ロ・ス・エ!!”

 これを怪異と言わずして何と言おう。魚河岸のどこにでもいるようなオヤジがニッカリと笑うと、あのヒロスエの顔になってしまうとは。世に似ている顔というのはたくさんある。しかし、人気アイドルと全く同じ顔をしたオヤジが他にいるだろうか。
 オヤジは元の顔に戻ると、手にウナギを提げてどこかへ歩いていってしまった。
 かれの名はコバちゃん。活物屋のコバちゃん。魚河岸でも知る人ぞ知る、うわさのヒロスエオヤジである。


 お盆だから

 ある朝、築地市場のセリ場にカールセーガンがあらわれた。

 “私たちの細胞は一千億もの宇宙からなっているのです……”

などと言いながら、周囲の状況と関係なくカメラ目線でフラフラしている。

 「ななな、何だ、カールセーガンが歩いているぞ!」
 「ああ、最近よく見るな」
 「何でこんな所にいるんだ? だいいち故人のはずじゃないか」
 「さあね、あの世でも“COSMOS”放送してんじゃないの」


 “しかし、ケプラーの仮説は間違っていたのです”

 カールセーガンは無数に並べられたマグロの間をすり抜けながら、熱をおびて話し続けている。

 「おい、何であいつ日本語で喋ってるんだ」
 「きっと吹き替えに違いないよ」

 “そして宇宙カレンダーで12月31日の午後11時47分、初めての人類が現れたのです、ここです”

 と、セリ台を指さした。台の上ではセリ人がそれと関係なく大声でセリを続けていた。

 「いやあ、なかなかの名士が歩いていますなあ」
 「やはりお盆ですからね、他界した人がたくさん遊びに来てます。他にもターレに乗ったアイルトンセナが岸壁に突っ込んだり、東京湾の中からたこ八郎が歩いてきたり、ヨ●モトではジョンレノンがコーヒー飲んでいたりと……」
 「アンタ、そりゃ嘘でしょ」
 「はい、みんな嘘です」


 ディズニーランドに行くの巻

 メバチでーす。
 キハダだよ。
 ボク、シロカワ。
 メカジキでございます。
 4人合わせて、築地マグロ・カジキ連合、略して築マカ連。以後、お見知りおきを!

 「今日は夏休み特別企画ということで、東京ディズニーランドに来てみました」
 「ふん、オレ様はデズニーなんて興味ないからな。大体あんなネズミに感情移入なんか出来ねえよ。やはり造形的にもカジキの方が上だと思うがな」
 「だからお前はブツブツオヤジだっていうんだ。世間が良いってものは素直に認めなきゃいかんぞ」
 「でもさ、東京ディズニーランドって都電で来れるんだね、ボク初めて知ったよ」
 「あれ、知らなかったの?」
 「はいはい、皆さん、着きましたよ。さあ、切符を買いましょう。ここのディズニーランドは荒川区がやっているんで、入場料がとっても安いんですよお!」
 「ミッキー!ミッキー!!!(絶叫)。 ボクのミッキーはどこにいるのーっ!」
 「ミッキー吉野ってか……」
 「おい、このディズニーランドにはつり堀があるな。なかなか良いぞ」
 「しかも子馬のポニーくんもいます」
 「さあ、皆さん、観覧車が出ますよ。さあ、乗った乗った」
 「おい、この観覧車やけにきしむけど、大丈夫か?」
 「別名、静かな絶叫マシーンと言われており……おい、揺らすな!」
 「がはははは! 皆んな道づれだぞー!」

 「ああ、腹減ったな、レストランかなんかないのか?」
 「おや、あんな所におでん屋の屋台がありますぜ」
 「わあ、ちくわぶだ、ちくわぶだ! 何と50円とは安い」
 「くーっ、遊園地の後のおでんはうまいねえ!」
 「それで、この後は水上バスに乗って、浅草にでも繰り出しましょうか」
 「おっ、六区だね、いいねえ。活動観て、天ぷらでも喰って……」
 「それから江川の玉乗りに安来節ですかい?」
 「うれしくなっちゃうなあ、もう!」


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